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ガンスリンガーストラトス二次創作 ~綾ノ迷イ路(あやのまよいじ)~第十三話

by
カリブ・カイ
カリブ・カイ
「ヒロさん…?」
急に黙り込んだりしたからか、クシーちゃんはすごく心配そうにしている。
二つの世界を滅ばす。
そんな酔狂な考えに至った理由は分からないが…

その程度の事の巻き添えで姉が亡くなったのかと思うと、
酷く空しい。
酷く悲しい。
激しい憤りを感じる。

-許さない。

「その悪土王って奴、僕が捕まえるよ。
絶対。」
俯きながら、そう絞り出すように呟く。
「ヒロさん、ご無理ならお引き受け頂かなくても構いません。
体が震えている、なんだか……とても辛そう。」
そんな事まで分かってしまうのか。
「何でもないよ。これは、ただの武者震い。」
そんな言葉で誤魔化してみるが、人間の機微が人間より解るクシーちゃんの事だ。
いくら俯いた顔が影になっていても、こちらが今どんな表情でいるか、お見通しかも知れない。
「分かりました。それでは、また明日のこれくらいの時間にお伺いします。
詳しい作戦の内容はその時にお話しします。…それでは。」
クシーちゃんの姿は薄い霧のように変わり、無数の光の玉のように変わり…ふっと、虚空に消えた。
ただ一人残された道場で、足元に落ちた竹刀を拾い上げる。
そして無造作に振り上げ、
「ーーーーーーーーーーーーっっっ!」
声無き裂帛と共に、縦一文字に降り下ろす。
15メートルほど離れた壇の上で、鎧立てに拵えられた甲冑が、剣風に押されたかのように、一旦鎧立ての足を数ミリ浮かせて傾き、水平に戻ろうとガタガタ音を立てる。
「…何でなんだよ。」
そんな言葉と共に零れ落ちる一筋の涙を見届ける者はいなかった。
更新日時:2019/06/11 20:54
(作成日時:2019/06/11 20:54)
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