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ガンスリンガーストラトス二次創作 ~綾ノ迷イ路(あやのまよいじ)~第十一話

by
カリブ・カイ
カリブ・カイ
全て合点がいった訳ではないが、
「つまり、フロンティアSの人達の中には、名古屋城を自分達のルーツと考えている人もいるって事だね。」
自分のここまでの考えを要約した一つの解答で相槌を打つ。
「そこまでお分かりになりますか、素晴らしいです!」
いかにも感心したという感じに腕を組んでしきりに頷き、最後の「素晴らしいです!」で両拳を握り、少し身を乗り出すような仕草をする。
もしかしたら間違っているかも知れないとも思っていたし、たいして考えての意見ではなかったので、素晴らしいとまで持ち上げられて、少し照れる。
「そこで…です。」
一転して真面目な表情を作った彼女は、大事な話をするというように、一呼吸置いてこちらを見る。
「十七管理区の適格者達が、この時代にタイムリープし、名古屋城を破壊してしまったら…どうなると思いますか?」
「どう…ってそれは、」
それは、なんとなく想像がつく。
「まず、十七管理区の人々にとっては、もとより縁の薄い名古屋城が時代を一定遡った時点から既に存在がなくなっていても、さしたる影響はない。
その事だけを見ると無意味にも見えるが…名古屋城が歴史上の早い段階で消滅する事になると、フロンティアSでは歴史を根本的に揺るがすほどの大きな異変が起こる。
つまり、これがクシー…さんが言っていたフロンティアSの起源点が取り除かれるという事。」
そういう事ではないだろうか?
確証はなかったが、考えをそう締め括る。
果たして、その答えは…
「その通りです。」
合っていたようである。
「もっとも、タイムリープを行った先でその時代の器物を損壊させても、直接、その実世界でそれがすぐに破損されたりはしません。
しかし、歴史の因果に干渉し、ゆくゆくその損壊したものは存在を継続しなくなる可能性が高まるのです。」
なんだか難しい話だが…影の戦場で壊れた建物が、実際には壊れないのも、このような働きからだろう。
「そして、そういった小さな事柄が積み重なった結果、フロンティアSとして、あるいは十七管理区としてこの国の歴史が歩み出す可能性を完全に消し去るというのが、時空越境はの狙いです。」
さらに、もう一つ…と付け加えるように、
「私の事は、クシーと呼び捨てで呼びください。
もしどうしても名前の後ろに何か付けて呼ぶのならば…クシーちゃんでお願いします。」
彼女は、そう言って深々と頭を下げる。
どうやら『さん』付けしたのが、何か問題だったらしいが…

ちゃん付け希望。何でだろうか。

「じゃあ、その……
クシー、ちゃん。」
「はい!」
クシーちゃんは非常に満足したように、花のような笑顔を浮かべた。
更新日時:2019/06/11 17:39
(作成日時:2019/06/11 17:39)
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