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ガンスリンガーストラトス二次創作 ~綾ノ迷イ路(あやのまよいじ)~第八話

by
カリブ・カイ
カリブ・カイ
ふと、耳鳴りがするのを感じる。
あの“影の戦場”が眼前に現れる直前にも、こんな予兆がある。
-“近い”な。
何が近いのかは明確な言葉にならなかったが、これから超常的な出来事がこの身に降り掛かるのだ。
そんな予感…いや、確信。
そして…真上に強い気配を感じて、視線を天井へと向ける。
-……来た!!
そう思うのと、屋根瓦を砕き、屋根の板張りを吹き飛ばし人影が勢い良く落下してきたのは、ほぼ同時だった。
埃がもうもうと舞っているが、視界を遮るほどではない。
突然現れたその人影は、落下してきた勢いを吸収するためか、膝立ちあるいは、アキレス腱の準備運動のような姿勢をとり、自分の身体の調子を確かめているのか、辺りの気配を窺うかのように、軽く目を閉じている。
色は磁器のように白い。喩えなのではなく、材質の色なのか塗装の色なのか白い外装を備えている。
そう、外装。
落ちてきたのは人ではない。標準的なヒトのに近い形状・寸法を持った人型の機械。フィクションなどでよくあるアンドロイドというものだろうか?
顔だけは肌色で、一見見ては人間と見まごう質感の瞳と唇を持っている。
人間の女の子らしい生き生きとした可愛らしさと、初めから美を追求して造られた工芸品の精緻さを併せ持つ、完璧な顔の造作。
髪に当たる場所は、白く後頭部までカバーされた水泳帽を付けているのに近いだろうか。頭の天辺あたりの側頭部から、体の表面の外装とは独立した象の耳のような形状の外装が左右に二枚一対付いている。
体は、先程も言ったように全体的に白い。硬質感と光沢のあるタイツスーツを纏っているような印象。
そして、手。ここは人間の外見とは大きく異なっている。
人間の二回りほど大きなその手の指先は、銃口のように奥の見通せない深い穴が空いている。
実際に、銃弾…いや赤い光弾だっただろうか?それが、その指先から放たれたのを見た事がある。
そう、このアンドロイドは、例の影の戦場の面子の一人(一機?)なのであった。
アンドロイドの女の子は、ゆっくりと目を開けると、開口一番こう言い放った。
「…2015年特異点にて、適格者の存在を確認。」
更新日時:2019/06/11 13:30
(作成日時:2019/06/11 13:30)
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