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ガンスリンガーストラトス二次創作 ~綾ノ迷イ路(あやのまよいじ)~第四話

by
カリブ・カイ
カリブ・カイ
その日は突然やって来た。
近所で銀行強盗が起こった。
自分と姉は、その場に居合わせた。
天井に向けて放たれた威嚇発砲。
本物の銃を持った暴徒がそこにいるという事実に、いくらかの衝撃はあったが、引き金を引く前の指・手首・肘・上腕・肩と伝わってゆく筋の緊張の波は、剣道を修める経歴柄か見てとる事が出来た。
銃を持っただけの素人、そんな印象がある。
もっとも、自分も剣道でまだ段位も持たない未熟者だ。訳知り顔で、「相手は素人」なんてうそぶいたら、鼻で笑われるだろう。
と、突然、強盗は銃口をこちらに向けた。
こちらは半ば反射的に重心を落とし、相手が引き金を絞るタイミングで横に跳び避ける体勢を整える。
人生で一度として銃所持者との立ち回りの訓練などした事はない。
平常心を乱しては九死に一生を得る得る事もないだろう。
-来る。
相手の呼吸は読めた。
後は、体勢の沈み込みで適度にテンションのかかった腿の力を最大限に使えば、自分が跳ねて虚空となった空間を銃弾は通り過ぎる事だろう。
しかし…体が動かない。
いや、動かせない。何故ならば…

そんな逡巡の間すら許さぬように、銃弾はあっさり放たれた。
そして、視界一面は黒色で埋め尽くされる。
それは、姉の服の背中の色。
こちらが凶弾を避ける事が出来ないと察して、その身を割り込ませたのである。
そのまま、強盗を背負い投げで投げ飛ばし、その手から落ちた拳銃を遠くへと蹴飛ばした。
強盗は気を失ったようだ。身動き一つしない。
 
更新日時:2019/06/10 11:27
(作成日時:2019/06/10 11:27)
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